投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月28日~12月2日の動きを振り返りつつ、12月5日~12月9日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で505.13円安(-1.79%)と反落。ローソク足は2週ぶりに陰線を形成した。
日経平均は週明けから週半ばの11月30日まで120.20円安、134.99円安、58.85円安と下落が続いた。中国での「ゼロコロナ」政策継続による景気減速や民衆のデモ拡大を受けたサプライチェーン(供給網)混乱に対する懸念から売りが先行。米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるタカ派発言も重石となった。
一方、月替わり初めの12月1日は257.09円高と反発。イベント講演で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が早くて12月会合での利上げ幅縮小の可能性を示唆し、長期金利が大幅に低下したことが買いにつながった。ただ、為替の円高進行が重石となり、28500円手前からは戻り待ちの売りで失速。
週末は一転して448.18円安と大幅反落。サプライマネジメント協会(ISM)が発表した米11月の製造業景気指数が49.0と、拡大・縮小の境界値である50を割り込んだことで、景気後退懸念が強まった。また、低調な米経済指標を受けた急速な為替の円高進行も嫌気されて輸出企業を中心に株式は全面的に売られた。日銀の上場投資信託(ETF)買いへの思惑から午後は下げ渋ったが、米雇用統計前の様子見ムードが広がる中、買い戻しは限られた。
今週の東京株式市場は弱含みか。週初は先週金曜日に発表された米11月雇用統計の結果を反映することになるが、その後は翌週に控える米11月消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に模様眺めムードが漂いやすく、指数は膠着感の強い展開を予想する。
1日に発表された11月ISM製造業景気指数は49.0と、拡大・縮小の境界値である50を割り込み、市場予想(49.7)も下回った。項目では新規受注が3カ月連続での50割れとなっており、景気後退懸念が強まっている。一方で、米10月のCPIや卸売物価指数(PPI)、個人消費支出(PCE)コアデフレータではインフレのピークアウト感が明確に見られており、根強いインフレ減速・利上げペース減速への期待感から、相場は底堅さを保つと考えられる。