12月に入っての日本の株式市場は、米国の景気減速への懸念などにより、上値が重い展開となっている。一方で、為替では円高ドル安に転じている。このなかで国内の株価にはどのような影響があり、どのような企業に投資妙味があるのか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんが、「内需の小型成長株」に注目する理由を解説する。
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「一難去ってまた一難」といった株式市場ですが、日本国内においては、「内需の小型成長株」に投資妙味を感じています。
ここでいう「内需株」とは、主に小売りやサービス、情報通信業などで国内向けにビジネスを展開していている企業を指します。また、「小型株」はプロが投資対象に入れにくいであろう時価総額500億円以内を、「成長株」は3年以上増収増益を続けている企業を目安としています。
では、なぜいま内需の小型成長株に注目するのか。3つの理由について説明していきます。
まず1つ目の理由は、「金利低下」です。一般的に成長株は、資金調達コストである金利が高い時には株価が下がりやすく、金利が低い時は株価が上がりやすい傾向にあります。
ここでいう金利は主に米国の長期金利を指していますが、成長株として意識されやすい株ほど、米国の金利動向に敏感に反応しています。
そして、11月に発表された米国の消費者物価指数(CPI)の伸び率鈍化によって急速に金利が低下したことは、成長株にとってプラス面が大きいと考えています。
2つ目の理由は、「円高」です。現在、年初から続いてきた円安トレンドが一服し、円高方向に推移しています。円高は日本の企業業績にとってマイナスではないかと思われる方も多いかもしれませんが、「内需株」しかも「小型株」であれば影響は限定的です。
なぜなら、円高になると日本国内から見た輸入物価は低下するため、原材料費などの費用の減少から利益率が上昇し、業績の改善が期待できる内需企業が多くあるからです。
また、仮に円高の影響で日経平均株価などの日本を代表する指数が下落するような流れになったとしても、小型株であれば指数の影響も受けにくく、個別の材料でより評価されやすい市場になる可能性もあります。