森口亮「まるわかり市況分析」

金利低下、米国景気後退懸念を踏まえて「内需の小型成長株」に注目する3つの理由

景気後退でも影響を受けにくい

 最後の理由は、「景気後退懸念」です。

 アメリカでは「景気後退」が今も強く懸念されています。それを示しているのが「逆イールド」です。期間別の米国債券の利回りを表すイールドカーブで、短期金利(主に2年金利)よりも長期金利(主に10年金利)の方が利回りが低い「逆イールド」の状態がすでに5か月以上続いています。そのスプレッド(利回り差)は約0.75%まで広がり続けており、過去のリーマンショック、ITバブル崩壊時をも超えています。

 過去、この逆イールドの発生後には確実に景気後退期入りしており、過去の不況を上回るスプレッド差は警戒すべき指標です。そのため非常に強い景気後退(ハードランディング)が来るのではないかと懸念度が増しています。

 話を国内に戻しましょう。程度の差はあれ、もしアメリカが景気後退に入るならば、国内企業業績も大きな影響を受けることは避けられません。しかし、これが内需の小型成長株には相対的に影響は少なく、強みのある企業の業績成長がより顕著になっていくのではないかと予想します。

 このように「金利低下」「円高」「景気後退懸念」という3つの理由から、相対的に見て、内需の小型成長株にとっては、不利な面よりも有利な面が多いのではないでしょうか。そして、中長期的な視点で見たときには株価のパフォーマンスに大きな差が出てくる可能性が高いのではないかと感じています。

 それに当てはまる銘柄の一例として、ポート(7047)という銘柄があります。

 国内における就職活動やリフォーム、カードローン、エネルギー乗り換えといった非日常領域におけるウェブメディアを運営している企業です。コロナや会計基準の変更などで利益成長に多少のばらつきはありますが、売上は10期連続の増収を達成。2022年後半だけで株価を60~70%上昇させ、時価総額は約150億円で小型株の範囲に入っています。

 もちろん全ての小型株が上がるわけではありません。現時点ですでに成長性が高く、独自の強みを有していて、かつ内需型で、今後も継続的に成長できている小型株をどう探し出すか。投資家にとって注目すべきポイントは、そうしたところにあるのではないでしょうか。

【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。

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