投資情報会社・フィスコが12月12日~12月16日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅縮小は織り込み済みだが、金融引き締め長期化の思惑からドルは下げづらい。また、ユーロ圏経済の先行き不安で消去法的にドル選好地合いとなりやすい。12月13日発表の消費者物価コア指数(CPI)は前年比+6.0%と、前回の+6.3%から失速が予想される。インフレはピークアウトにより米連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め政策の一服に思惑が広がりやすく、ドル買いは縮小する場面が想定される。
パウエルFRB議長は11月30日の討論会で今後の利上げペース鈍化の可能性に言及し、13-14日開催のFOMCで利上げ幅を0.75ポイントから縮小する可能性に言及。市場予想では利上げ幅0.50ポイントが十分織り込まれているようだ。
FOMCでは利上げ幅のほか、2023年の金利見通しが焦点。インフレ峠越えでドットチャートの中央値が下方修正されれば、米金利安・ドル安の展開が見込まれる。一方、ターミナルレート(利上げの最終到達地点)を見極めようと、ドル売りは抑制されよう。欧州中央銀行(ECB)や英中銀金融政策委員会(MPC)も注目材料。両中銀とも追加利上げの見通しだが、先行きの実体経済が不透明で欧州通貨は政策発表後に売りが強まる可能性があろう。その際には、ドル選好地合いが見込まれる。また、世界的に金融引き締めの鈍化を背景に株式市場が活況となれば、リスク選好的な円売りが強まる可能性がある。
【米11月CPI】(12月13日)
12月13日発表の米11月CPIは+6.0%と予想されており、10月実績を下回る見込み。インフレの一段の鈍化は金利安・ドル安の要因となろう。
【FOMC】(12月13-14日)
FRBは12月13-14日開催のFOMCで、利上げ幅を0.50%に縮小する公算。今後の引き締め方針を弱める可能性が示されれば、金利安・ドル安の要因となりそうだ。議事要旨の公表は2023年1月4日。