これを75歳まで続けた場合、最終的に元を取るには91歳まで生きなければならないことになります。長生きできるかどうかは誰にもわかりませんし、そもそも「将来年間2万円増えるよりも、元気なうちに(保険料で取られる)32万円が欲しい」と思う方もいるのではないでしょうか。
一般的に70歳以降も働いている方は会社の役員クラスの方が多いように思います。つまり給料も多いので、政府は彼らからガッポリ保険料を徴収しようという意図なのか、この仕組みを導入することで受給開始年齢を70歳、あるいは75歳まで引き上げようとしているのかもしれません。
健康で生きがいを持って、生涯働けるということはこれからの時代、必要なことです。しかし、年金制度をここまでコロコロ変えていっていいのか、私は疑問に感じています。
【プロフィール】北村庄吾(きたむら・しょうご)/1961年生まれ、熊本県出身。中央大学卒業。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー。ブレイン社会保険労務士法人 代表社員。YouTube「年金博士・北村庄吾の年金チャンネル」で、「年金! 天国と地獄」(https://youtu.be/LCB0SaH_eTo)を配信中。