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いまも勧誘の手は緩めていない 新興宗教が「家庭の主婦」に狙いを定めるワケ

霊感商法に関する相談の8割が女性

霊感商法に関する相談の8割が女性

 インターネットが入り口になることも近年の特徴だ。消費者庁のホームページによると、霊感商法(開運商法)に関する消費者からの相談は2017年から1021年で年間1100件を超える。

「そのうち8割が女性からの相談です。無料のつもりで占いサイトに登録すると、占い師や鑑定士を名乗る者に“あなたは素晴らしい金運を持っている”と言われて複数回にわたり占いや運勢鑑定のやり取りをして、高額な代金を払ってしまったなどの相談例があります」(紀藤さん)

 もしも同様の被害があったら消費者庁に相談してほしい。私たちは、新興宗教と女性という問題にどう立ち向かえばいいだろうか。竹迫さんは「まずは現実に直面することが大事」と語る。

「宗教は人のプライバシーに踏み込む領域であり、宗教団体は個人情報守秘や献金の扱いに配慮する義務があります。人の心を扱う性質上、容易に弱みにつけ込めるので高い倫理性が求められますが、宗教的な装いをしたカルトは抜け穴を見つけて金儲けをします。

 忘れてならないのは、男性主体の価値観をカルトが利用していることです。彼らは現在の社会構造を極端に歪曲して教義に組み込んでいる。徹底した男性優位の思想を持つ旧統一教会はその代表であり、言い換えれば、カルトは日本社会の弱点につけ込んでいます。

 私は牧師としていろいろ相談を聞きますが、“その悩み事をカルトに狙われたら危ない”という人がたくさんいます。だからこそ、これ以上の被害者を出さないために、日本社会が変わる必要があります」

 旧統一教会問題は、長年日本人が見て見ぬふりをしてきた病巣をあぶり出した。早く手当てをしないと、さらに多くの女性が苦しむことになる。

(*この企画内の新興宗教は、主に「カルト」や「新興宗教を偽装したカルト」を指す)

※女性セブン2023年1月5・12日号

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