投資情報会社・フィスコが年末年始のドル円相場の見通しを解説する。
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今週・再今週のドル円は下げ渋りか。日本銀行が推進した大規模緩和の修正に思惑が続き、円買い圧力が強まりやすい。一方、米国経済の減速懸念でドルは売りが予想されるものの、株安なら安全逃避のドル買いが強まる可能性がある。日銀は19-20日に開催した金融政策決定会合で、現行の緩和的な金融政策維持を決定したが、長短金利操作で長期金利の許容変動幅を0.25%から0.50%に拡大したことから、今後は引き締め的な政策に転換するとの見方が広がっている。
外為市場は年末年始を挟んで薄商いとなるが、日銀が政府との協定を見直すとの警戒感は消えていないため、主要通貨に対する円買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。下値メドとして意識される130円を割り込んだ場合には、さらに下値を模索展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は年明けに12月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。パウエルFRB議長は1月末のFOMCでの利上げ幅について据え置きか縮小か、データ次第と指摘。低調な経済指標が目立つなか、金利安・ドル安が見込まれる。
ただ、主要中央銀行による金融引き締めで世界経済の減速懸念が強まり、株式市場は弱気相場となりやすい。その際には欧州通貨などに対する安全逃避のドル買いが入り、ドル円の取引でもドル買い・円売りが優勢となる可能性もあろう。
【米・12月ISM製造業景況指数】(1月4日発表予定)
2023年1月4日発表の米12月ISM製造業景況指数は48.5と、前月の49.0から小幅に鈍化する見通し。米国経済の先行きに不透明感が強まるとみられ、金利安・ドル安に振れやすい。
【米・12月雇用統計】(1月6日発表予定)
1月6日発表の米12月雇用統計は失業率が3.7%、非農業部門雇用者数は前月比+21.0万人と予想されている。平均時給は前年比+5.0%にとどまる見込み。市場予想と一致した場合、インフレのピークアウトが意識されそうだ。