そうして事件後、高橋、山口、そして森下との交友が復活し、ビジネスを展開していったのだという。山口が続ける。
「高橋は二信組事件で刑事被告人になって拘置所に勾留され、保釈されて出てきてから、毎日、森下さんのところに通うようになりました。そうして森下さんが高橋のメインバンクになっていった。『お前、俺がアイチからカネを借りていたとき、あんなところからお金借りたらダメですよと言っていたのに、今はお前のメインバンクになっているじゃねぇか』って皮肉を言ってやりましたよ。『もう危ない真似はするな。捲土重来を期して焦るな』と諭していたんだ。奴は仕手筋のような株取引をやっていてね。だから注意したけど、高橋は『山口先生、100億円ぐらいはつくっておきましょうよ、それだけあればのんびり暮らせるでしょう』なんて気にも留めなかった」
高橋は株式投資にのめり込んでいった。その後ろ盾が森下だったのだ。(了)