投資情報会社・フィスコが1月9日~1月13日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。日本銀行がこれまで進めてきた大規模金融緩和の段階的修正への思惑は残されており、円買い圧力が強まりやすい。一方、米経済指標の低調な内容が目立つものの、連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締め策を長期化する方針であり日米金利差のさらなる拡大を想定してリスク選好的なドル買い・円売りは続くとみられる。
一部報道によると、日本銀行は今月開催の金融政策決定会合で2022-2024年度の物価見通しを上方修正する方向とみられている。今春の正副総裁人事に合わせ路線の転換を進めているとみられ、金融緩和政策修正の思惑は強まりやすい。ただ、全国消費者物価指数(CPI)コア指数の先行指標とみられる東京都の消費者物価指数の伸び率は鈍化すると予想され、主要通貨に対する円買いは限定的となりそうだ。
一方、米国のCPIは数カ月連続で鈍化が進み、一時期に比べればインフレ懸念が弱まる可能性がある。昨年12月13-14日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では引き締め継続の方針で一致しているものの、次回1月31日-2月1日開催のFOMCで利上げ幅は0.25ポイントに縮小することが織り込まれつつある。また、米国の雇用情勢はまずまず良好との見方が浮上しており、将来的なインフレ緩和の可能性はあるものの、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。
【米・12月CPI】(12日発表予定)
12日発表の米12月CPIは前年比+5.7%と予想され、インフレの一段の鈍化により金利安・ドル安の要因となろう。
【米・1月ミシガン大学消費者信頼感指数】(13日発表予定)
参考となる12月実績は、59.7。現況指数と期待指数はいずれも改善。1月については、インフレ抑制の思惑が広がっているが、住宅ローンなど金利上昇の影響があるため、小幅な改善にとどまる見込み。