アップルの株価が低迷している。約1年前の2022年1月4日、過去最高値(場中ベース)となる182.94ドルを記録したが、その後は不安定な動きが続いた。大きく下げて一旦戻したものの、8月中旬から10月中旬にかけて厳しく売り込まれた。その後やや持ち直したものの、12月中旬以降、再び売られている。2023年1月3日には124.17ドルの安値を付けており、1月9日終値は130.15ドルで少し戻してはいるが、最高値からは29%安い水準に留まっている。
アップルと言えば、ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが最も多くの資産(2022年9月末時点、時価総額ベース)を保有する銘柄であり、米国を代表する優良銘柄だ。アップル株の底値はいくらで、いつ底を打つのかは、日本の個人投資家にとっても大いに気になるところだろう。
アップルの株価低迷の要因は業績見通しの悪化によるところが大きい。2022年7-9月期業績は8%増収、1%増益と堅調であったが、10-12月期に関しては楽観できない。iPhone 14の出荷が予想を下回るなど、製品需要の面で不安がある。中国を除けば主要国は金利上昇局面にあり、景気減速懸念が強まっており、スマホ全体に対するマクロ需要の面でも不安がある。加えて、中国でのロックダウンや、中国政府の実質的なゼロコロナ政策放棄による流行急拡大がもたらす生産への悪影響も懸念される。
韓国・サムスン電子は1月6日、2022年10-12月期の営業利益が69%減益の4兆3000億ウォンになるだろうと発表した。市場予想は5兆9000億ウォンだったので、大きなサプライズと言えよう。
メモリー、スマホ、テレビなど、電子部品、コンシューマーエレクトロニクス製品の需要の落ち込みが激しいようだ。米国をはじめとした欧米各国による利上げがグローバルでリセッションを引き起こすリスクが高まっている。