段永平氏はアップルの買い下がり戦略に自信
もっとも、この局面でアップル株を“逆張り投資”する著名投資家もいる。
中国の電子機器メーカー・小覇王、歩歩高の創業者であり、投資家としても知名度の高い段永平会長(歩歩高)が、今年に入り、アップル株を買いに入っている。
1月4日付けの自身のSNS(雪球、アカウント名:大道無形我有型)によれば、「バークシャーハザウェイを一部売却しアップルを買い入れた。香港市場に上場するテンセント株はそのままだが、ピンクシート(米国店頭市場)で取引されているテンセントについてはすべて売ってアップルを買い入れた」と公表した。アップル株を長期投資するつもりのようで、「株価が現在のままかそれ以下で1年以上推移してくれれば、こうした安値で拾う戦略はさらに効率が高まるだろう」とも言っている。
段会長の言動が投資家の注目を集めるのには理由がある。彼は昨年の2月、3月、4月、8月、10月(13日、25日)と6度にわたり、テンセント株を買い下がっていた。テンセントの株価はその後、10月末に底を打ち、現在もリバウンド基調にあることで、彼の投資家としての評価は一段と高まっている。
また、昨年10月11日のブログにおいて、「テンセントは投資勘定が大きく、内容が複雑で、見通しが立てにくく、将来のキャッシュフローに対して確度の高い予想が難しい」と指摘しており、その点において「収益構造が比較的単純なアップルの方が将来のキャッシュフローの見通しが立て易い」と分析している。段会長はアップルに対する買い下がり戦略に大きな自信を持っているようだ。
ちなみに今年に入り、欧米系大手投資銀行の某アナリストがアップルの底値について「115~120ドル程度」だと予想している。アップルの株価が底値に近付いているとみる業界関係者は少なくない。