投資情報会社・フィスコが1月16日~1月20日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は弱含みか。日本銀行による大規模金融緩和修正の思惑が続き、リスク回避的な円買い圧力が強まりやすい。一方、米経済指標の低調な内容から米国経済の先行き不透明感が広がり、一段の金融引き締めを想定したドル買いは後退しそうだ。報道によると、日銀は1月17-18日開催の金融政策決定会合で2022-2024年度の物価見通しを上方修正する方向のようだ。今春の新体制発足に向け、日銀は昨年末の長期金利の許容変動幅の拡大に続き、金融緩和路線の転換を進める可能性がある。
一方、連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ対応のため、引き締め政策を継続する方針。年明けに公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のほか、複数の金融当局者は利上げ継続が妥当との見解をこれまで協調している。ただ、直近の雇用統計で平均時給は伸びが大幅に鈍化し、賃金インフレのピークアウトは鮮明に。また、12日に発表された米消費者物価(CPI)はコア指数も含め顕著に失速し、米インフレ峠越えによる金利安・ドル安が見込まれる。
【日本銀行金融政策決定会合】(17-18日)
日銀は17-18日、金融政策決定会合を開催し、現行の緩和的な金融政策を決定する公算。展望レポートでは2022-24年の物価見通しについて上方修正するとみられ、今後の緩和修正をにらんだ円買い圧力が強まり、ドルを下押し。
【米・12月小売売上高】(18日発表予定)
18日発表の米12月小売売上高は前月比-0.8%と、11月実績からに悪化する見通し。インフレ高進が消費を圧迫する構図が鮮明になれば成長は大きく後退するとみられ、今後の金融引き締め鈍化観測につながる。