固定資産税や維持費など、余計なお金がかかってしまうのが「空き家」だ。実家が空き家になったなら、売却するなどすぐに処分してしまいたいところだが、一筋縄ではいかない。そのため、親が存命であれば今のうちに「実家の処分」についてやっておくべきことは多い。まず必要なのは、将来設計を踏まえた話し合いだ。オラガ総研代表の牧野知弘氏が語る。
「現在は会社勤めの方で、定年後に故郷に住むつもりなら実家を有効活用できますし、逆に誰も故郷に戻らないなら実家を残しても負担になるだけです。そうした将来設計を踏まえて親子で家族会議を開いて、実家をどうしていきたいかを話し合うことが重要です。その際、家を維持するコストを加味して売却も選択肢としたうえで、様々な段取りを検討できれば理想的です」
親が健在だからこそできることがある。今のうちに何をしておくべきか。
2024年以降の空き家売却は岸田政権の進める「空き家への課税強化」で損になる可能性がある。そのため、可能であれば親と相談のうえで今年中に実家を「売却処分」する選択肢も考えたい。
「経済的な余裕や親の理解があれば、早々に実家を手放して別の場所に移り住ませることも選択肢のひとつになる」(牧野氏)
では実家を適切に処分するためにすべきことは何か。まず欠かせないのが、不動産としての資産価値を把握することだ。
「今はネット社会なので、ネット経由で実家のおおよその“売値”を簡単に調べられます。具体的には、不動産仲介サイトなどで『実家のある地域名』を入れて検索し、似たような地域・築年数、広さ、間取りの家の売り出し価格を見れば、現在のマーケットのおおよその状況をつかめます」(牧野氏)