より詳しく知りたい場合は、「実家近くの複数の不動産屋に聞く」「不動産鑑定士に評価を依頼する」という手もある。そうして資産価値を調べていると運が良ければ、知らないうちに実家周辺の都市計画が進んでいて、思わぬ高値で売れたり、付近の住宅環境が整っていれば、実家を貸家として貸し出せたりする可能性もあるという。
ただし、少子高齢化が進む日本では地方を中心に不動産マーケットが非常に厳しい状況だ。今後はさらなる価格の落ち込みが予想されていることを念頭に置いて考えたい。
親の知人から「買い手」を探し出す努力をする
資産価値を把握したら、今度は実際に売却のために動くことになる。立地条件によっては思うような価格で買い手がつかないことも多いが、牧野氏は「たとえ二束三文にしかならなくても売り抜く努力をすべき」と語る。
「もったいないと考える人もいるかもしれませんが将来、もし空き家のまま放置しておくことになれば固定資産税や家の管理などのコストがかかって損になります。
買い手がなかなか見つからない場合は、生前に親に“隣人や知人で引き取ってくれる人がいないか聞いて回ってもらう”のも良いでしょう。私の知人は田舎の実家が全く売れず、困り果てた末にダメ元で隣の家に声をかけたら、畑として使うからと買い取ってくれたそうです。300坪の土地を坪単価1万円、計300万円で売却できたようで、『やっと売れた』と喜んでいました」(牧野氏)
田舎の土地は田畑や倉庫などで活用できる。親が生きているうちであれば、同じ地域の知人ネットワークが活用できる可能性があるのだ。
※週刊ポスト2023年1月27日号