日本の家庭の日々の食事に欠かせない炊飯器。近年では加熱方式や内釜の素材、機能にこだわった高級炊飯器が人気を呼び、最上位モデルでは10万円を超えるものも登場している。ただし、高額化している分、「失敗」すると大きな痛手になるだけに、炊飯器選びに慎重になる人も少なくないようだ。高級炊飯器の購入を検討する人たちに、悩ましい事情を聞いた。
不動産会社に勤める30代女性・Aさんは、種類の多さに困惑していることを明かす。
「6年前、結婚したばかりの頃に買った炊飯器の調子がおかしくなったので、そろそろ買い替えようと思っています。今の炊飯器は普通のIH炊飯器なので、何かしらグレートアップもいいなと思っていろいろと調べているんですけど、決め手が難しくて、まだ購入に至っていません。
加熱方式はIHだけじゃなく、圧力IHやスチームIHやら何が何だか……。内釜の厚さや素材も違うし、機能も盛りだくさん。商品紹介も“土鍋で炊いたような”とか、“釜のような炊きあがり”みたいな文章表現が多い印象ですが、そう言われてもわからないというか。何かすごい仕上がりになる、ということだけは想像できますが……」
そんな矢先、兄の家に訪れると、高級炊飯器が目に入ったAさん。少しでも炊飯器選びのヒントになるかと思い、実際にそれで炊いたご飯を食べさせてもらった。
「兄の家にあったのは、10万円ぐらいする超高級炊飯器。確かにおいしいことはわかりましたが、じゃあそれより低価格のものだったらおいしくないかというと、そうでもないような……。高い炊飯器、ということを知っているからおいしく感じただけなのでは、と自分を疑ってしまい、完全に迷走しています(笑)」(Aさん)