円安の影響もあり、インバウンド需要が回復し始めている。中国ではゼロコロナ政策が終わり出入国の制限が撤廃、春節には多くの観光客が中国から来日することも予想される。そんななか注目されているのが、外国人観光客に向けたビジネスだ。観光に関連する業界だけでなく、一般の主婦であっても工夫次第では稼ぐこともできるという。
北海道札幌市の主婦Aさん(60代)は5年前に民泊サービスの『Airbnb』(通称エアビー)に登録し、3階建ての自宅の2階の部屋を1泊6000円で民泊に活用している。
「英語は得意ではありませんが、カタコトでもゲストとの交流を楽しんでいます。コロナ禍以前は2年半で250組の宿泊があり、年間100万円を超える売り上げでした。その後はゼロ状態が続きましたが、昨年夏頃から再び予約が入り始めました。2月に『さっぽろ雪まつり』が行われるので、1月下旬から2月中旬までは連日予約で埋まっています」(Aさん)
外国人旅行者には日本的な「体験プラン」が大人気だ。農林水産省の取り組み状況を見ると、農村地域ではメープルシロップ作り体験や稲刈り体験などさまざまな農業体験プランがある。Aさんは、同時に「藍染め体験」でも副収入を得ているという。
「もともと趣味で藍染めをやっており、いまは週に2回、1時間半のワークショップを開催しています。1回1人あたり4500円。藍染めの歴史や、気温や湿度によって色が変化することを話しながら、体験していただいています」(Aさん)
インバウンド向け料理教室の需要
地元の人には当たり前の行事も、外国人旅行者にとっては貴重なイベントになる。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんはこう話す。
「例えば海沿いの地域なら海の幸のバーベキューや、山があればたけのこ掘りなどです。料金も、日本人なら“高いかな”と思うような設定でも、現地価格で通用する可能性があります」