商品の厚みから、投函口から入れることは不可能なのに…
不動産会社に勤務する30代男性・Bさんは、郵便受け周辺に荷物を置かれることが多かったが、許容できないことがあった。
「玄関前に置き配指定していたのに、郵便受け付近に置かれたり、無理やり投函されることが何度かありました。商品が変形したり破損しない限りは、目をつぶっていました。ただ先日、『さすがにこれってどうなの?』と思うようなことがありました。
荷物は郵便受けに投函されていたのですが、商品の厚みからどう考えても投函口から入れることは不可能……。つまり勝手にマンションの玄関に入って、郵便受けの取り出し口を開けて入れられたとしか考えられません。ただ、私も自分が簡単に開けられるように、ロックをかけていなかったので、落ち度があったのも事実。それ以来、しっかりとロックするか、手渡しで受け取るようにしています」(Bさん)
隣のアパートの住人が“再配達”しに来てくれた
金融機関に勤める20代男性・Cさんは、配達完了と連絡があったにもかかわらず置き配がないことに戸惑った。意外なところから見つかった。
「同じ階、さらには他の階も確認したのに荷物が置いてなかったんです。盗まれたのかなと不安に思って、ショップに問い合わせようと思ったら、『ピンポーン』とチャイムが鳴ったんです。見知らぬ男性が荷物を持っていたので配達業者だと思ったら、まさかの隣のアパートの住人でした。私の荷物がドアの前に置いてあったので、“再配達”しに来てくれたとのこと。親切な方でほっとしましたが、迷惑をかけてしまって申し訳ないと思いました」(Cさん)
後日、同じアパート内でも置き配のミスがあり、今度はCさんが“再配達”するはめになったという。
「仕事から帰ると玄関前に荷物が置いてありました。『あれ、何か頼んだかな?』と不思議に思って、荷物の宛名を見ると、知らない名前が書いてありました。私は102号室に住んでいますが、どうやら201号室の住人と間違えて、置いてしまったようでした。結局、私が“再配達”しました。そのまま置き配しても良かったんですけど、困っているかもしれないと思い、訪問して手渡しました。置き配から思わぬご近所付き合いにつながりました……」(Cさん)
コロナ禍以降、対面接触を避ける手段として、置き配が急速に普及したが、これまでなかったサービスだけに想定外の事態に困惑する人も少なくないようだ。(了)