年齢、体力、技量に応じて自分なりに楽しめることから、生涯スポーツとして人気のゴルフ。各種調査によると、近年はコロナ禍での運動不足解消などを目的に再開した、もしくは新たに始めたプレーヤーも増えているようだ。ゴルフ練習場やコースでは、「若者や女性の姿が目立つようになった」との声も多く聞かれる。ウエアや道具一式を揃えたり、マナーやルールを学んだりと、門外漢にはハードルが高そうな印象もあるが、実際のゴルフデビューはどうなのか。フリーライターの吉田みく氏が、「お金がかかりすぎるからゴルフデビューをあきらめた」という20代女性の本音を聞いた。
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都内在住の会社員・マサミさん(仮名、24歳)は、ゴルフに興味を持ったもののハードルの高さから心が折れそうになったことを話してくれた。
「私がゴルフに興味を持ったのは、10歳上の彼氏の誘いがきっかけです。仕事の付き合いでゴルフをしている彼から『マサミとも一緒にゴルフ楽しめたらいいな』と言われていたのでチャレンジしてみようと。でも、想像以上にお金がかかることを知り驚きました」(マサミさん、以下同)
マサミさんがネットで調べた情報によると、初心者向けゴルフクラブセットで約8万円、人気ブランドのウエアやシューズなどは一式で約5万円くらいかかることが分かったそうだ。
「私の月給は25万円、家賃7万円のマンションに一人暮らしをしているので、金銭的な余裕はありません。でもお金が理由で彼からの誘いを断るのも恥ずかしいと思い、何かいい方法はないものかと母に相談することにしました」
マサミさんの母は、マサミさんに彼氏がいることは知っているため話しやすかったそうだ。いつもは味方でいてくれている母だったが、この件だけは普段と違うアドバイスをしてきたという。
「『ママもパパから誘われてゴルフを始めたんだよ。誘ってきたのはパパだったから、ゴルフ用品一式はパパに買ってもらったんだよね。だからマサミも彼におねだりしちゃえば?』と言われたんです。今と昔では時代も違いますし、私よりも収入が高いであろう年上の彼氏とは言え、高額なおねだりは躊躇してしまいます……」
普段のデート代も割り勘するなど、「性別や年齢に関係なく対等でいたい」と考えているマサミさんにとっては、母親からのアドバイスはしっくりこなかったという。