投資情報会社・フィスコが1月23日~1月27日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は弱含みか。低調な米経済指標を背景に連邦準備制度理事会(FRB)は利上げペースのさらなる減速を検討しており、金利安・ドル安に振れやすい展開となりそうだ。また、日本銀行による金融緩和策修正の思惑は消えていないため、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに強まる可能性は低いとみられる。1月31日-2月1日の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、利上げ幅を0.25ポイントに縮小するとの見方が織り込まれつつある。ただ、今後の金融政策をめぐるFRB当局者の見解は強弱分かれ、ドルの方向性は定まらず、どのように集約されるか注目される。
そうしたなか、ブレイナードFRB副議長は1月19日の講演で、インフレ鈍化のきざしは鮮明と指摘しながらも、なお高止まりのため引き締め的な金融政策の継続は必要と強調した。ただ、別の当局者からはハト派的な見解も聞かれ、過度な金利高は抑制されている。今週発表される米国の10-12月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.9%程度と、7-9月期の+3.2%を下回る見通し。また、個人消費支出(PCEコア価格指数)は前年比+4.4%と、前月の+4.7%から低下する公算で、低調な経済指標を受け金利安・ドル安が見込まれる。
一方、日銀は17-18日に開催した金融政策決定会合で、従来通りの緩和的な金融政策を決定。緩和政策の修正を進めるとの事前報道により、足元では円売りが優勢になった。ただ、3月から4月にかけての新体制発足で緩和策の段階的な修正が見込まれるため、日米金利差の拡大をにらんだドル買い・円売りは弱まるとみられる。
【米・10-12月期GDP速報値】(26日発表予定)
26日発表の米10-12月期GDP速報値は前期比年率+2.9%と、7-9月期の+3.2%を下回る見通し。足元の経済指標は製造業を中心に低調な内容となり、GDPは予想よりも弱い内容となる可能性もあろう。
【米・12月PCEコア価格指数】(27日発表予定)
27日発表の米12月PCEコアデフレーターは前年比+4.4%と、前月の+4.7%から低下する公算。インフレのピークアウトが改めて示されれば金融引き締め長期化への期待は後退し、金利安・ドル安の要因に。