日本最大級の就職・転職サイトへの「クチコミ」投稿から、有名企業の“実態”と“本当の評価”が見えてくる──。ベストセラーになっている『1300万件のクチコミでわかった超優良企業』(東洋経済新報社)の著者で、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」代表の大澤陽樹氏は、実際に投稿された「クチコミ」をもとに、様々な指標を設定して集計し、分析した。
そうしたなかで、社員による職場環境に関する評価をもとに算出された「総合評価」では、世界的IT企業・グーグルの日本支社(グーグル合同会社・1位)や製薬大手の中外製薬(2位)、リクルート(3位)などが上位にランクインしている。大澤氏はこの「総合評価」に加えて、様々な指標ごとのランキングも作成。企業の特徴がより伝わってくる内容だ。
例えば、グーグルやリクルートは、いずれも「退職者に愛される企業」でも上位だった。
「退職者のクチコミから、辞めてもなお愛される会社と、そうでない会社に二極化していることがわかります。その違いは、『退職者への企業の向き合い方』。愛される企業は、『次のステージに快く送り出してくれた』と退職者から感謝されている傾向がある」(大澤氏)
一方、電通や博報堂など“激務”のイメージが強い広告代理店も、「以前と比較すると休みやすい」(電通)、「勤務時間の自由度が高く働きやすい」(博報堂)といった現在の“素顔”を垣間見ることができる。
「年収1000万円超のホワイト企業」で上位に入ったのが関西電力。給与面だけならより好待遇な企業もあるが、「ワーク・ライフ・バランス」の評価が高かったという。
「関西電力は1月24日時点で425人の方が投稿してくださっています。それによると、平均残業時間は27時間と普通ですが、有休消化率が82%と非常に高い」(大澤氏)
また近年、各社がおしなべてアピールする「法令順守」だが、行動がどこまで伴っているかの一端がクチコミから窺い知れる。
「法令順守意識の高さでは、財閥系など大手グループを構成する企業が軒並み高いスコアでした。消費者金融アコムの社員は『MUFGグループになってからコンプラ順守の意識が高い』など企業風土の変化についてコメントしています」(大澤氏)