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ブティックス:介護業界最大のマッチングプラットフォームが成長牽引

ブティックス(9272):市場平均予想(単位:百万円)

ブティックス(9272):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 ブティックス(9272)は、介護・医療・福祉業界に特化したBtoBマッチングサービスを提供する企業。

 商品の売り手と買い手をマッチングする「商談型展示会」の運営を核に、M&A仲介事業も行っています。M&A仲介は2015年に参入した比較的新しい事業ですが、独自の事業資産を活用することに成功し、現在、介護事業のM&A仲介では、業界No.1の実績を持つまでに成長。同社の業績を牽引しています。

 創業は2006年。もともとは介護用品の販売を中心としたインターネット通販事業をやっていましたが、その中で、サプライヤが「情報不足からマーケティングで悩んでいる」ことに着目し、商談型展示会事業を開始。さらに商談型展示会事業をやる中で、介護事業者が事業承継問題を抱えていることに着目し、2015年にM&A仲介サービスを開始しました(なお、EC事業は2020年に譲渡を完了し、同社のビジネスモデルはBtoCからBtoBに完全にシフト)。

 商談型展示会事業を通して聞き得たニーズやデータをデータベース化し、それを新たな自社サービスとして事業化することに成功しています。

 現在、展開する事業は「商談型展示会」事業と「M&A仲介」事業、また2023年3月期からはリアルとオンラインを組み合わせた「ハイブリッド展示会」事業が加わりました。それぞれの2023年3月期上半期における売上構成比は、商談型展示会12%、M&A仲介65%、ハイブリッド展示会23%でした。

注目ポイント

 足元業績は好調。ハイブリッド展「DXPO」の初開催、M&Aの大型案件成約により増収増益。7期連続営業増益の見通しです。

 商談型展示会事業という、経験やノウハウ、そして知名度が武器となる事業領域で確固たるポジションを確立しています。業界最大の出展数と来場者を誇る商談型展示会で聞き得たニーズや来場者(介護施設の経営層)情報は全てデータベース化しており、これを基に、新たなサービスを創出しています。そうして始まったM&A仲介事業は今や商談型展示会事業よりも売上規模が大きく業績のけん引役となっています。

 利益率について言うと、同社は低価格をウリにしていますが、それでもM&A仲介事業の利益率は50%台で推移するなど高い採算性を実現しています。今期はコンサルタント採用に伴う費用増もあり、利益率は前年の59.3%→53.4%→来期は49.3%と低下が予想されますが、新規採用コンサルタントが売上寄与しだす25/3期には50%台を回復していく見込みです。足元では大型案件も増えていることが確認されており、利益成長が期待できます。

 また、新規事業であるハイブリッド展示会事業において、新しくIT分野に参入しましたが、成功すれば、介護・福祉事業同様、IT分野でもM&A仲介事業を行う展開になるでしょう。今後の成長余地に関わってくるところであり、動向は注目されるところかと思います。成功すれば、「中小企業M&A」のリーダー企業になれる可能性があると思います。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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