テレビ番組を保存する機会が減った背景には、番組をネットで観られるようになったことだけでなく、テレビ番組以外のコンテンツの充実化も影響しているようだ。前出・大塚氏は以下のように指摘する。
「たとえばアイドルグループやアーティストの場合、テレビ番組で発信するコンテンツよりも、SNSやYouTubeで発信されるコンテンツのほうがコアなファン向けになっているんです。コアなファンにしてみれば、そういった“濃いコンテンツ”こそが重要であり、ライトな層に向けられているテレビ番組では物足りないということもあるでしょう。そして、ライトな層はわざわざブルーレイディスクに番組を保存するということはあまりしないわけです。つまり、テレビよりも“濃い”メディアが登場したことも、録画用ブルーレイディスクの需要低下の要因になっていると思います」(大塚氏)
コンテンツの楽しみ方が多様化するとともに、コンテンツの“濃さ”のグラデーションも豊かになっている今の時代。“テレビ番組を録画する”という限定的な目的のためのディスクが消えつつあるのは、自然の流れなのかもしれない。(了)