世論の後押しを受けられるかどうか
回転寿司チェーンの一部の迷惑客がクローズアップされると、「回転寿司=客筋が悪い」というイメージが定着することも懸念されます。そうでなくても、スシローが過去に「一皿半額」キャンペーンをしたところ客が押し寄せて20時間待ちとなったことなどで、ネット民から白い目で見られたこともあったくらいです。
ただ、一方のスシローも「ビール半額」キャンペーンのポスターを開始日前に貼り客とモメたり、CMで紹介した期間限定の目玉商品「濃厚うに包み」「新物うに鮨人流3種盛り」「冬の味覚!豪華かにづくし」が98.1%の店舗で実際には売られていなかった……など、過去に何度か「やらかし」をしています。期間限定商品の件は、消費者庁から「おとり広告」と認定され再発防止命令が出されたほどです。
となると、ますます「回転寿司=客筋が悪い上に運営側も不誠実」といった印象に拍車がかかりかねない。スシローは今回のバカッター騒動における被害者でしょうが、私のようなバカッターウォッチャーからすれば、必ずしも過去の同様の事例ほど同情されていない印象もあります。
「線路に降りる少年」「パトカーの上に乗っかる少年」「セブン-イレブンの店員がおでんを手づかみし、その熱さに悶絶し、売り物のタバコを両手で床に落としまくる」などのバカッター騒動時は、愚行を犯す者への批判に加え、鉄道会社・警察・セブンへの同情が多数ネットに書き込まれました。それと比べると、今回の件ではそうした論調が少ないようにも感じられます。
というわけで、企業側もバカッター(迷惑行為)を抑制する方法を考える一方で、世論の後押しを獲得するために、普段から誠実な企業運営をアピールしなければならないわけです。