都内のIT企業に勤務する30代女性・Bさんも、最近の高校生は「お金持ち」という印象があると話す。
「先日、電車の中でスマホケースがヴィトンの高校生がいて、思わずガン見してしまいました。街なかでも、高校生がカバンやリュックなどにブランドロゴが入ったものをよく持っていますよね。デパコス(デパートコスメ)コーナーでも見かけます。私が高校生の頃は手が出ないどころか、そもそもそういったブランドの存在すら知らなかったなあ、と。仮に存在を知っていても、そこにかけるお金はなかった気がします」(Bさん)
スマホがあればたいていの娯楽が「タダ」
高校生の子供を持つ親世代は、彼ら/彼女たちの金銭事情についてどう思っているのだろうか。
神奈川県の不動産会社に勤務する40代女性・Cさんは、高校2年生の息子に毎月5000円のお小遣いをあげているが、それ以外でも必要なものにはお金を出しているという。
「スマホは必需品なので、買ってあげました。スマホ料金は、上限を決めて出してあげていて、それを超えたらお小遣いから補填させるというシステムです。お小遣い以外で出してあげるのは、主に本代や美容院代、部活に必要なお金ですね」(Cさん)
Cさんは、自身が高校生の頃もお小遣いが5000円だったといい、「物価が上がっている今、5000円というのは多くもない気はします」と言いつつ、昔と比較すると「お金を使う場所が変化している」と指摘する。
「私自身が高校生の頃、お金を使うものといえば漫画、雑誌、CD。友達と遊ぶのはゲームセンターという感じでした。息子を見ていると、YouTubeはタダだし、サブスクも親のアカウントでログインすれば、音楽も動画も聴いたり見たりし放題なので、そこに使うお金はゼロ。
漫画だって無料で読めるものも多いし、私のような漫画で育った世代が親なので、親が買った漫画を一緒に読めばお金はかからない(笑)。スマホさえあれば、娯楽にとにかくお金がかからないんですよね。だからその分、ちょっと単価の高いドリンクやグッズにも手が出せるというか。あと、YouTuberやインフルエンサーの影響もあり、『ここは大人が行く場所』『これは大人が持つもの』みたいな“壁”も取り払われた印象があります。
結局、今の大人から見たら、自分たちが高校生の頃には行かなかったような場所で高校生の姿を見たり、手が出なかったものを持っているのを目にするから、『高校生はお金を持っている』という印象になるんじゃないかな、と思います」(Cさん)