高校生がスターバックスで勉強をしている、ハイブランドのものを持っている──。こうした光景を見て、「今の高校生はお金を持っている」と感じる人もいるようだ。だが実際はこの30年、高校生のお小遣い額はほとんど変わっていない。
金融中央広報員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、2022年の高校生のお小遣いは6630円で、高校生のお小遣いは1990年代以降、ほぼ5000~6000円台で推移している。にもかかわらず、イマドキの高校生が「お金を持っている」ように見えるのはなぜなのか。親世代、高校生たちの双方から話を聞き、その背景を探った。
スタバで勉強する高校生の多さに驚き
都内でメーカーに勤務する30代男性・Aさんは、高校生がスターバックス(スタバ)に当たり前にいることに、驚きを隠さない。
「スタバで高校生が400円以上するドリンクを飲んでいるだけでも驚くのに、500円くらいのケーキも買って、勉強をしているんですよね。それが一人や二人ではない。当たり前のように遭遇します。僕が高校生の頃は、友人と飲食するといってもマクドナルドで500円以内というのが精一杯で、勉強は学校か地域の図書館でやっていました。スタバは大学生とか、もう少し上の世代が行くところ、というイメージだったので、『お金持ってるんだなあ』と思います」(Aさん)
スタバだけでなく回転寿司店でも高校生グループの存在感が増しているようだ。Aさんは「かつてのファミレス状態」だと語る。
「回転寿司って、僕が子供の頃は、友達と行くというよりは、家族で外食する場所だったように思います。だから自分でお金を払うこともなかった。そもそもカウンター席が多く、ゆっくりする場所でもありませんでした。
僕の高校時代はファミレスのドリンクバーで友達とはしゃいでいたのですが、それと同じような高校生グループを、今の回転寿司店で目にします。安い回転寿司といっても、お腹いっぱい食べたらそこそこかかると思うので、時代は変わったな、と思います」(Aさん)