森口亮「まるわかり市況分析」

FOMCや雇用統計、GAFAM決算を通過 いま「市場全体のPER」に注目する2つの理由

FOMCやGAFAMの決算を経て、今後の相場はどう動いていくのか(FRBのパウエル議長。Getty Images)

FOMCやGAFAMの決算を経て、今後の相場はどう動いていくのか(FRBのパウエル議長。Getty Images)

 2月はFOMC(連邦公開市場委員会)や米国の雇用統計、GAFAMの決算など、投資家にとって重要なイベントが相次いだ。今後の相場動向を分析するうえで、どういった指標に注目しておけばよいのだろうか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんは、「いま注目すべき指標は市場全体のPER(株価収益率)」だと言う。その理由について解説する。

 * * *
 2月に入り、FOMCや米国の雇用統計といった大きな相場イベントを通過しました。また、日本でも米国でも続々と企業決算が発表されており、2月1週目にはGAFAMの決算発表が集中しました。

 これらのイベントを経たうえで、現在は市場全体の「PER(株価収益率)」を見ていく重要性が増してきていると感じています。以下、その「2つの理由」を解説していきましょう。

決算発表後にPERが目安の範囲内にあるかどうか

 PERの計算式は「株価÷1株益(EPS)」です。いまの時期は多くの企業が決算発表を行い、来期の業績予想も更新されるため、日経平均株価やS&P500など市場全体のインデックスの予想EPSが大きく変化する時期になります。

 仮に、決算発表後に予想EPSが下がった場合、EPSの下落幅と同程度、株価が下落する可能性があります。決算発表後には、株価の変化だけでなく、EPSとPERの変化にも注目しておくとよいでしょう。

 PERは株価が割安かどうかを見極める指標として知られており、一般的に「15倍程度」が目安とされていますが、日経平均株価についてはおよそ「12~16倍程度」で、S&P500の場合にはおよそ「16~20倍程度」で推移しています。

 決算発表後の株価変動を経て、市場全体のPERがこの範囲内にとどまるのであれば、業績の変化を織り込んだ結果ですが、もしこの範囲外に飛び出すような動きになれば、売られすぎ、または買われすぎとなっている可能性があります。

 ちなみに、いまの日経平均株価の予想PERは12~13倍と割安感が意識される水準です。一方、S&P500の予想PERは18~19倍で、そろそろ割高感も意識される水準となっています。

 ここまでは通常の決算後であってもPERを確認しておきたい理由を説明しました。さらに、いまは業績以外にもPERに注目すべき理由があります。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。