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認知症母が隣人に贈与、孫への贈与1000万円を嫁が使い込み… 「こんなはずじゃなかった」生前贈与のトラブル

贈与や相続について、予想していなかったトラブルも少なくない(写真:イメージマート)

贈与や相続について、予想していなかったトラブルも少なくない(写真:イメージマート)

 相続と生前贈与のルールが、2024年に改正される。もっとも大きな変更は「生前贈与の持ち戻し期間の延長」だ。生前贈与は、年間110万円までなら贈与税がかからないが、現行のルールでは、亡くなる3年前までの贈与は“相続財産の先渡し”とされ、さかのぼって相続税が課せられている。これが「7年前まで」に延長されるのだ。

 ただでさえややこしい相続と生前贈与のルール。来年の改正法施行により、さらに面倒になったり、うっかり損してしまいやすくなることは間違いない。だが、暦年贈与の持ち戻し期間の延長が増税につながる一方で、節税に役立つ期間延長もある。

 今年3月末までの特例だった「結婚・子育て資金」の一括贈与(1000万円まで)は2025年3月末まで2年延長。同じく子供や孫への「教育資金」の一括贈与(1500万円まで)も2026年3月末まで3年延長された。相続実務士で夢相続代表の曽根惠子さんが説明する。

「暦年贈与は今年のうちに駆け込みしておくといいですが、結婚・子育てや教育資金の特例は、まだ猶予がある。そのため、これらの非課税枠を使えるなら、焦らず余裕のあるときに贈与しておけば大丈夫です」

 ただし、結婚・子育て資金を贈与されたら、早めに使い切った方がいい。使い切らないうちに贈与した側が亡くなると、これも相続税の対象になるからだ。円満相続税理士法人代表の橘慶太さんはこう話す。

「改正されなかったルールにも注意が必要です。結婚・子育て資金の贈与は、相続になった場合は持ち戻されます。一方、教育資金の一括贈与は持ち戻しがありません。また、暦年贈与する場合、法定相続人ではない孫などに贈与すれば持ち戻し加算の対象外で、暦年贈与の“7年持ち戻し”も無関係です。法定相続人以外に財産を残すには、遺言書による『遺贈』が必要です。法定相続人の遺留分を侵害するとトラブルになりやすいので、遺言書の作成時は充分に注意してください」

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