一方、職場のマニュアル等で始業時間前にすべき作業が決められていたり、始業前にその日の業務に必要な引き継ぎなどが行われているのであれば、労働時間になると思います。
娘さんの待機時間について、上司が言った「ルール」という趣旨が、10分前にスタンバイするのが業務上の命令であり、違反すると懲戒処分を受けるような制裁があれば、使用者の指揮監督下にある労働時間だといえます。
そこまでの決まりがないとすれば、スタンバイの実態に合わせて判断してください。ポイントは指揮監督下にあるかどうかで、スタンバイしないと不利益処分を受けるか、スタンバイ時間内に実際に作業をしているか、作業しているとしてそれは任意(奉仕)か命令か、命令がなくてもせざるを得ないのか、などです。残業代の時効期間は3年ですから注意してください。
待機時間が労働時間なのに会社が対応しない場合は、個別労働関係紛争として、労働局長のあっせんを求める申し立てが検討できます。使用者は申し立てをした労働者に不利益処分をすることはできません。この制度の利用については労働基準監督署に相談してください。
※女性セブン2023年3月2・9日号