Z世代の若者たちを中心に人気を博してきた位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」が、2月3日をもってサービス終了となった。友人同士の居場所が常に可視化されることで、リアルな交流がしやすくなるというメリットもあったが、その一方で“常時監視”される人間関係に苦労する人たちも少なくなかったのではないか。
世界で4000万ユーザーを集めていたZenly終了に伴い、ユーザーたちがこうした苦労から解放されるかと思いきや、さにあらず。“ポストZenly”とも言える同様の位置情報共有アプリの数々が新規ユーザー獲得に向けて熾烈な競争を繰り広げている。
たとえば注目を集めているのは、2022年10月にリリースされ、約3か月でユーザー数が270万人に突破した日本製アプリ「NauNau」。Simejiが2月8日に発表した「Z世代が選ぶ次世代SNSランキング」でも1位に輝いており、“ポストZenly”の最右翼とも言える存在だ。
そのほかにも、「whoo」「Life360」「SnapChat」「Homey」などを位置情報共有機能のあるアプリは数多く存在し、Zenly共同創業者の一人も「Amo」という新しいアプリを準備していると報じられている。
こうした位置情報共有アプリの隆盛を見て、「なぜ若者たちは、進んで自分の居場所を他人に共有したがるのか」疑問に思う人も少なくない。実際のユーザーたちはどのような思いでアプリを使っているのか。そのリアルな声を聞いてみよう。
「怖がるようなものではない」
Zenlyユーザーだった20代男性・Aさん(大学生)は、その魅力を次のように語る。
「周りの友人もみんな入れているので、僕も入れたという感じ。大学の近くに住んでいるので、アプリを入れていれば仲が良いメンツがどこにいるかわかるから、すぐに会えるのが便利ですね。たとえば、LINEだと『いまどこにいる?』という連絡からしないといけないので、会うまでのコスパが悪いんですよ。場所がわかっていれば、秒でお互い『近いじゃん、会おう』となるので、時間もかからない。
Zenlyのヘビーユーザーだったので、終了してショックを受けていましたが、新しいアプリが出てきて嬉しいですね。友達と一緒にNauNauも入れました。まだ上手く使えないこともありますが、そのうち使い勝手が良くなるんじゃないですか?」(Aさん)