警察庁は1月25日、「ぱちんこ営業における広告及び宣伝の取扱いについて(通達)」をホームページで公開した。これを受けて、全日遊連、日遊協、MIRAI、余暇進のパチンコホール関係4団体は2月9日、「広告宣伝ガイドライン(第1版)」を制定した。これにより、パチンコホールの広告宣伝に関するルールが10年ぶりに変更され、これまで禁じられていたパチンコホールの広告宣伝の一部が解禁される見通しだ。
パチンコホールにおける広告宣伝は、風営法によって規制されている。主に射幸心を煽る内容や違法行為をほのめかすような内容が規制の対象となっている。パチンコ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう説明する。
「ホールにおいて、広告宣伝の規制対象となる代表的な例としては、特定の機種について“入賞しやすくなっている(釘が甘い)”“高設定が入っている”などと謳うこと。たとえば“出血大サービス”という表現もNGですね。“毎月○日”“○の日”などと、特定の数字などと関連付けてイベント日を設けることもできません。また“○円交換”“等価交換”など、換金レートをほのめかすのもNGです。
ただ、ルールは全国で統一されているわけではなく、都道府県によって厳しい地域とそうではない地域があります。今回のルール変更により、可能となる広告宣伝が増えるとともに、全国でルールが統一される見込みです」
クリスマスに関連付けての広告もOKに
警察庁の通達では、規制の対象となる広告宣伝として、以下のものが示されている。
●広告及び宣伝の規制並びに営業所の構造及び設備の維持義務違反に該当する類型
(警察庁『ぱちんこ営業における広告及び宣伝の取扱いについて(通達)』より)
【1】入賞を容易にした遊技機の設置をうかがわせる表示
【2】大当たり確率の設定変更が可能な遊技機について設定状況等をうかがわせる表示
【3】賞品買取行為への関与をうかがわせる表示
【4】著しく多くの遊技球等の獲得が容易であることをうかがわせる表示
【5】遊技料金等の規制違反の疑いのある行為をうかがわせる表示
【6】遊技の結果について客の技量により差異が生じる余地をなくしていることをうかがわせる表示
この通達を受けて、ホール4団体は広告宣伝について関する新たなガイドラインを作成。可能となる広告宣伝は以下の6つ。
【1】国民的行事、地域の行事及び創業記念に関する広告宣伝
【2】遊技機に関する広告宣伝
【3】遊技機性能に関する広告宣伝
【4】遊技結果に関する広告宣伝
【5】営業時間に関する広告宣伝
【6】駐車場における行事に関する広告宣伝
「【1】であれば、たとえばクリスマスやハロウィンや、ホールの開店記念日などと関連づけた広告が可能となり、【4】であれば“出玉ランキング”などの掲出ができるようになります。また【2】であれば、設置機種の宣伝ポスターに差異を設けることが可能となるので、“おすすめ機種”を示すこともできるようになります。
ただ、具体的にどこまでの表現がOKで、どこまでがNGであるかは、微妙なところもあるんですよね。“おすすめ機種”という表現がOKだということを受けて、“超プッシュおすすめ機種”などの形で、かなり大げさな表現を使うホールが出てくるかもしれない。そうのような“グレーな表現”も出てくるでしょうから、細かいルールは今後詰められていく可能性が高いと思います」(藤井氏・以下同)