また、「家族とのつながり」もポイントになる。高齢者施設の実情に詳しい社会福祉士の吉川美津子氏が言う。
「金額的に安いからと郊外のサ高住を選んでも、買い物が不便で、通院に誰かの手を借りなければならなくなることも。買い物はヘルパーの代行もありますが、酒類などの嗜好品の買い物は介護保険適用外。結果として、施設の近くに家族やキーパーソンが住んでいる人のほうが施設スタッフとの連携が取りやすく、上手くいっている傾向があります。コロナ禍では面会制限、外出制限している施設も多いので、どの程度対面できるかもポイントでしょう」
また、施設選びが「複数回」になる可能性にも留意しなくてはならない。
「入居した後も本人の健康状態などが年々変わっていくという前提が見落とされがちです。自立した生活が続けられると思ってサ高住や住宅型老人ホームを選んだものの、衰えが進んで介護サービスが手厚い施設を選び直す必要に迫られることはよくある。豪華な付帯施設を気に入って入居した場合なども、体力が落ちれば活用できないことを念頭に置かなくてはなりません」(吉川氏)
施設入居に際して考えるべきことは多い
※週刊ポスト2023年3月10・17日号