昨今、大きな話題となっている対話型AI「ChatGPT」。アメリカのOpenAI社が開発したサービスで、AIにテキストで質問すると、まるで人間が答えているかのようなリアルな回答が返ってくるのが大きな特徴だ。日本語にも対応しており、現時点では無料で利用できる。2022年11月に公開され、約2か月でアクティブユーザーが1億人を突破。今後、さまざまな場面での活用が模索されそうだ。
そんなChatGPTをすでに活用しているというフリーライターのAさん(40代男性)に、使い勝手について話を聞いた。
「仕事で海外の記事を翻訳することがあるんですが、最近はChatGPTを使うことが増えています。いろいろな自動翻訳サービスがある中で、ChatGPTは日本語が自然で平易なんです。ところどころ誤訳があるのは仕方ないとしても、自動生成される言葉がわかりやすいので、全体的な意味を捉えやすいというメリットがあります。
ただ、回答ができあがるまでにやや時間がかかるのは難点。翻訳サービスの『DeepL』であれば一瞬で翻訳されるような文章でも、ChatGPTの場合、数十秒くらいかかることがあります」(Aさん)
一部では、「将来的にGoogleを脅かす存在になるのではないか」とも囁かれているChatGPT。ネットで調べ物をする際、Google で検索するよりもChatGPTに質問したほうが、より詳しい回答が瞬時に得られるのではないか、と期待されているのだ。しかし、Aさんは「現段階の精度では、そうでもない」という。
「ChatGPTの場合、その場で回答が出てくるのは確か。調べ物をする際の手順は省けますが、残念ながら今の段階では、ChatGPTの回答は事実関係が危ういものも多いんです。また、必ずしも最新の情報が返ってくるわけではなく、かなり不十分な回答になってしまう。ちゃんと調べ物をしたいなら、ChatGPTだけに頼るのはまだ危険だと思います」(Aさん)