中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「ずっとスマホを見てる」「飲食店のテーブルを拭く」 海外で目立つ日本人観光客ならではの特徴

海外で目立つ日本人観光客ならではの行動や特徴とは?(写真:イメージマート)

海外で目立つ日本人観光客ならではの行動や特徴とは?(写真:イメージマート)

 JTBが1月に発表した旅行動向見通しによると、2023年の海外旅行者数は、前年比189.7%増の840万人と推計されている。まだ海外旅行需要が完全に回復するまでは時間がかかるかもしれないが、すでに海外では日本人観光客の姿も目立ち始めているようだ。そうした中で、海外に行くと「日本人観光客だとすぐわかる」特徴があるという。他の国から来た観光客と何が違うのか現在、タイ・バンコクとラオス・ルアンパバーンで生活するネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、現地で感じた「日本人観光客ならではの特徴」についてレポートする。

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 現在、タイとラオスで生活している私が気づいた「日本人観光客ならではの特徴」のひとつは、「とにかくスマホをよく見る」というものです。多分、綿密に行く場所を決めていることが多いのでしょう。行き当たりばったりではなく、事前に地図をチェックし、目的地を目指す。そのためスマホを見ているのではないでしょうか。「おー、あったあった」と友人同士で確認しあっています。

 そのせいか、空港でチェックインする際もスマホでニュースやメッセンジャーに夢中になり過ぎ、カウンターの職員が「Next!」と呼んでいるのに気付かない。それに苛立った後ろの外国人が「おい、呼んでるぞ」と声を掛けるシーンも何度か見ました。日本の電車では7人掛けの席の全員がスマホを見ているなんてことはザラですが、バンコクの電車ではせいぜい1~3人ぐらいでしょうか。それだけ日本人はスマホが好きなのでしょうね。

 あと、エレベーターで「ボタン押し係」になっているのは、日本人が多い印象です。他の国の人はドドドドドと入ってきて日本人が「開」ボタンを押してあげている中、ドドドドドと何も言わないで降りていく。時々白人女性は「サンキュー」と言ってニッコリ微笑みを返してくれますが、多くの外国人は「ボタン押し係」は眼中にない様子です。あと、エレベーター内では喋らないという習慣で日本人は生きてきたため、インド人、中国人、白人が大声でがなりたてている中、静かに階数表示を見ているのも特徴です。

店頭に置かれたメニューをジーっと見続ける

 飲食店においては、やはり一回一回の食事に“一球入魂”したいのでしょう。店頭に置かれたメニューをジーっと見続け、仲間内で相談をする。しかし、そこに店員が外にやってきて「サワディーカー(こんにちはー)」なんて言うと、愛想笑いをしてそこから去ってしまう。店内でもメニューを見る時間が本当に長い。

 私は屋台や飲食街で他人が食べている内容を見るようにしているのですが、白人観光客はパッタイ(タイ風焼きそば)かチャーハンを食べていることが多いです。「パッタイかチャーハン食っとけばいいだろエッ!」的な空気を感じるのです。私なんかは「どれにしようかなぁ、ここに置いてある花ニラとイカを一緒に炒めてもらえる?」なんて複雑なことを言うのですが(色々試したいじゃないですか)、彼らは「パッタイ!」「フライドライス!」とビシッと言い切ります。

 以前、あるお店で不思議な光景を目にしました。白人の観光客が時々入ってくるのですが、3組連続で席に着いてメニューを見たらすぐに去っていく。個人的にその店は絶品メニューが多いと思っていたので、なぜ出ていくのだろうか、と疑問に思っていました。おそらくですが、彼ら/彼女たちは、ご飯を頼み、複数のおかずを頼むというようなスタイルが面倒くさかったのではないでしょうか。その点、日本人は好奇心をもって色々な食事を頼もうとするように思います。

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