さまざまな業種でネット対応が進むなか、リアル対応の手数料が一気に値上がり始めている。通信業界では、ドコモが7月1日から、店頭での新規契約や機種変更などの事務手数料を値上げすると発表した。各種事務手数料は一律3850円となり、最大で2750円の値上げ。KDDIはすでに4月20日から値上げ、ソフトバンクも6月1日からの値上げを発表している。
金融業界では、三菱UFJ銀行も10月2日から、店頭窓口から他行への振込手数料を一律990円に、ATMから他行への振込手数料は現金で880円となる。これまでと比べて、最大で500円以上の値上げとなる。同様の値上げは、他の金融機関にも波及すると予想されるが、こうした手数料値上げに気が気でないのは、ネットに詳しくない高齢者と、その子供たちだ。
大手キャリアの料金が高いのは“ショップ利用料”?
メーカーに勤務する40代男性・Aさんは、窓口での事務手数料値上げは「仕方ない」と受け入れる姿勢だ。
「店頭だと有料、しかも今回値上げ。オンラインショップでは手数料は無料ですから、リアル店舗の数を減らして、ネット契約にシフトしたいという狙いなんでしょう。窓口対応にコストがかかるのはわかりますが、ネットができない高齢者には、痛い出費になりそうです」(Aさん)
ただ、今回の値上げを知っても、Aさんの70代の親は「お店がないと誰かに聞けない」という不安から、大手キャリアでの契約を望んでいるそうだ。
「手数料値上げが実施される前に、店頭でガラケー(フィーチャーフォン)からスマホに機種変更を済ませるのも一つの手かもしれません。私が代わりにネットで手続き、スマホの設定をするのは負担がかかるので……。
確かに大手キャリアは格安スマホに比べたら料金は高いけど、わからないことがあったり、手続きが必要になった際に、気軽に利用できるショップはありがたい存在。親も携帯料金の高さを“ショップ利用料”だと認識しているようですが、今回の手数料値上げのニュースに愚痴も言っています」(Aさん)