話しかけると質問や指示に応えてくれる「音声アシスタント」。しかし、その機能が搭載された端末を持っていても、利用している人はそれほど多くはないようだ。イードが2022年5月に実施した「音声アシスタントとスマートスピーカーに関する調査」(回答者:全国20~69歳の男女2839人)によると、デバイスを問わず音声アシスタントを利用したことがあるのは全体の5割強。音声アシスタントに話しかけることの抵抗感について聞くと、4割は「抵抗がある」という。
では、どんなことに抵抗感を抱いているのか。代表的な音声アシスタントの一つである、iPhoneの「Siri(シリ)」を中心に苦手意識を持つ人に聞いてみた。
シニア層にとっては音声のほうが楽
メーカーに勤務する30代男性・Aさんは、10年以上iPhoneを使っているが、Siriを使ったことはない。
「声を出しても認識されない可能性があるのは面倒だし、話しかけるのも『ヘイ! シリ!』って言うのは、こっ恥ずかしいというか……。せめて、『ねぇ、シリ』ならなんとか言えそうですけど、無理して使おうとは思いません」
そんなAさんは先日、屋外で「Hey Siri」とつぶやく日本人に初めて遭遇した。驚くと同時に、納得する部分もあったという。
「この10年、外で『Hey Siri』と言ってる人に出くわしたことがありませんでした。でも先日、駅のホームで高齢の方が、『Hey Siri いま何度?』と聞いていて驚きました。シニアが使いこなしていたのは意外でしたが、入力したり操作したりするよりも音声の方が楽なんだろうな、と納得しました」(Aさん)