12月14日、自民党と公明党による「令和6年度税制改正大綱」が公表された。その中に盛り込まれた「防衛強化に係る財源確保のための税制措置」で、政府・与党は「同種・同等のものには同様の負担を求める消費課税の基本的考え方に沿って税負担差を解消する」という理由から、加熱式たばこの税負担について、「1本3円相当」の引き上げを明記した。
防衛費の財源確保を目的としたたばこ増税については、以前より議論が起こっている。繰り返されるたばこ増税について、愛煙家だけでなく非喫煙者からも、さまざまな声が上がっている。
加熱式たばこにシフトしようと思っていたのに…
喫煙者の40代男性・Aさん(メーカー勤務)は「“税負担の不公平”を指摘するなら、喫煙者と非喫煙者で税による恩恵の不公平があるのでは」と苦笑いだ。
「たばこの増税については、もう『はいはい。また弱いところから増税ね』という感じ。行きつけの喫茶店の喫煙室がなくなってコーヒーを飲みながらたばこを吸えなくなり、街中からも喫煙所がほとんどなくなりました……」
飲食店での喫煙事情は店によって異なり、「全面禁煙」「分煙(喫煙スペース有り)」「席で喫煙可能」「席では加熱式のみ喫煙可能」と分かれる。Aさんは昨年、「まだ席で吸える場所の選択肢が多い」という理由で、紙巻きたばこ(以下、「紙巻き」)から加熱式たばこ(以下、「加熱式」)にシフトしようとも考えたが……。
「居酒屋など、まだ加熱式なら席で吸える選択肢も残っているということで、加熱式のデバイスを初めて買ってみました。でもやっぱり紙巻きとは全然吸い心地が違うし、私は慣れませんでしたね。充電するのも面倒だし、吸いたい時に充電が切れていることもしょっちゅう。結局買ったデバイスはすっかり放置で、紙巻きに戻っています。
喫煙界の流れは、紙巻きより加熱式がメインになっていく方向なのかなと思っていたのですが、さらに増税となると、もう加熱式を吸う理由もないですね」(Aさん)