日本人の2人に1人が罹患するとされる「がん」。手術や入院、治療に備えるため、各社で様々ながん保険が展開されているが、落とし穴がある。FPで消費生活アドバイザーの丸山晴美氏が言う。
「注意すべきは、20年以上前に加入した古いがん保険の場合です。日々進化するがん治療にマッチしない保障内容の場合、いざという時に使えない恐れがあります」
がんと診断されたのに保険金が下りないケースで多いのが、「がん細胞が上皮内にとどまった状態の上皮内がん(上皮内新生物)」だ。
「ステージ0にあたる上皮内がんを早期発見できても、がん保険の対象外とされるケースがあります。実際、上皮内がんと診断されて手術したが、対象外のため診断給付金や手術給付金などが下りなかった、又はその他のがんの半額程度しか給付されなかったという話があります。古いがん保険や、加入年齢の割に保険料が安いがん保険の場合に多い印象です」(同前)
上皮内がんは進行がんに比べて治療にかかる医療費は少ないが、給付金が下りなければ保険の意味が薄れてしまう。
保障の対象となる場合も、がんと診断された時にもらえる「診断給付金」には注意が必要だ。
「がんは一度の治療で成功すれば生涯安心という疾患ではありません。再発や転移の可能性が少なくないことから、加入するがん保険の診断給付金の支払い回数と給付条件の把握が重要です」(同前)