いつの時代もお金にまつわるトラブルは多いが、ネット社会のいま、知らぬ間に危険が忍び寄っていることもある。消費者からのさまざまな相談に応じ、助言やあっせん(交渉の手伝い)を行なう消費生活センターなどの相談機関には、犯罪まがいの商法や個人間取引の相談も後を絶たない。
では、具体的にどんな相談が寄せられているのか。以下、インターネット通販関連でよくあるトラブルの傾向と対策を、消費生活センターと同様の相談機関である『NACS(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)』理事の丹羽典明さんに解説してもらった。
フリマサイト出品者との“直接取引”で詐欺
【事例】
好きな画家の作品がメルカリで30万円で出品されていた。「もう一声、安くなりませんか?」とメルカリに交渉すると、出品者から直接「メルカリに支払う手数料の分を安くするので直接取引しませんか」と連絡があったため、同意して割引金額を振り込んだ。しかし、数週間経ってもいっこうに商品が届かず。メルカリに苦情を入れたら、「規約違反ですから対処できません」と言われてしまい……。(60代・男性)
【解説】
「メルカリのような大手フリマサイトでは、出品者と購入者との直接取引を厳しく禁止しており、サイトでも注意喚起をしています。ですから、メルカリに苦情を言うのは筋違いです。この案件は詐欺ですから、警察に届け出るよう案内しました。
大手のフリマサイトは購入者に商品が届いてから出品者への支払いが行われるシステムを設け、トラブル防止に努めています。なるべく信頼の置ける相手を選んでください」(丹羽さん・以下同)