ビジネス

【日本の消費者問題70年史】ネズミ講の発祥「天下一家の会」、日本最大の詐欺事件「豊田商事」、和牛委託商法の「安愚楽牧場」など

1971年に問題が表面化したネズミ講の始祖「天下一家の会」事件(時事通信フォト)

1971年に問題が表面化したネズミ講の始祖「天下一家の会」事件(時事通信フォト)

 いつの時代もお金にまつわるトラブルは絶えないが、ネット社会のいま、犯罪まがいの商法や個人間取引のトラブルも目立つようになり、消費生活センターには年間90万~100万件の相談が寄せられているという。

 相談事例の情報発信や注意喚起を行う「国民生活センター」の飯田周作さんによると、現在トップの相談案件は「インターネット通販関連のトラブルです。特に、中高年以上の化粧品・健康食品の定期購入に関する相談が多いです」という。

 それではインターネットがなかった時代には、どんな消費者問題が起きていたのだろうか──。いまにつながる、日本の消費者問題の歴史を紐解いてみよう。

消費者問題年表(1955~2020年)

消費者問題年表(1955~2020年)

 1950年代、高度経済成長期に突入すると、世の中は経済活動を優先し、消費者の健康や生命が脅かされる事件が続く。全国で1万3000人以上の乳児が被害を受けた「森永ヒ素ミルク中毒事件」(1955年)、サリドマイド含有製剤の副作用により、世界で数千人、日本で約1000人の胎児が影響を受けた「サリドマイド事件」(1962年)などだ。飯田さんが解説する。

「こうした問題から消費者を守るため、1970年に特殊法人国民生活センター(2003年から独立行政法人)が設立されました」

次のページ:「うまい話はこの世にない」の啓蒙ポスターも

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。