キャリア

「そんなの教えられないよ…」 小学生が「大谷翔平みたいなスイーパー投げたい!」で学童野球指導者困惑、ネット情報に振り回される“お父さんコーチ”の受難

いまどきの学童スポーツの指導者にはさまざまな苦労が(写真:イメージマート)

いまどきの学童スポーツの指導者にはさまざまな苦労が(写真:イメージマート)

 大谷翔平を筆頭として、海外で活躍するスポーツ選手は子供たちの憧れ。新年度のタイミングでスポーツを始める子供は多いが、情報化時代の今、指導する大人の苦労も増えているようだ。

 息子が入団した学童野球チームでコーチになり、息子の卒業後もそのままコーチを続けているMさん(40代/男性)は、最近の子供の“頭でっかちな質問”に苦しんでいる。

「私がコーチになったのは20年近く前のこと。その頃の指導内容は『キャッチボールは相手の胸にめがけて投げる』とか『バットを振る時は脇を締めて』とか、のんびりしたものでした。しかし野球理論はどんどん進化し、しかもトップ選手の技術をYouTubeで学べる時代。

 小学校高学年にもなればインターネットを器用に使えるので、さまざまなノウハウ動画を見て『大谷みたいなスイーパーを投げたい』だの『ボールの回転数を上げたい』だの、最先端の技術を教えてくれと言ってくるのです」(Mさん)

 Mさんは「学生時代、一応野球部だった」というレベル。ただ、そんなことを知らない子供たちは、まったく遠慮がない。

「学童野球は、基本的に変化球は禁止ですが、子供たちが変化球を覚えたがるのは今も昔も同じ。『カーブが曲がった』『今のフォーク、落ちたよね!』などと言って喜ぶ姿は変わりませんが、いきなり、カットボールやツーシーム、スプリットなどを投げたがる子もいます。

 物事には順番というものがあると思いますが、『大谷 スイーパー 投げ方』といったキーワードで検索すれば動画がいくらでもヒットするので、“自分も投げられる”“試してみたい”と思ってしまうようです」(同前)

次のページ:とにかく専門用語を使いたがる子供たち

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。