昨今の多様性を尊重する流れの中で、性別に関係なく利用できるジェンダーレストイレが登場し、注目を集めたことは記憶に新しい。最近では、男女共用トイレと女性用トイレの2つしか設置されていない飲食店や商業施設などもあるが、そこに密かに不満を抱いている男性は少なからずいるようだ。背景には、女性が男女共用トイレを利用すると、男性は選択肢がなくなるという不便さがある。この“女性が使えるトイレの方が多い問題”について、男女それぞれに意見を聞いた。
両方が空いているなら女性は女性用トイレに入ってほしい
フリーランスデザイナーの40代男性・Aさんは、カフェで仕事をすることが多いが、トイレについてしばしば理不尽さを感じているという。
「最近のカフェのトイレって、男女共用トイレと女性用トイレという2つのお店が多いんです。男女別のトイレだと、女性用トイレの方が混みがちだから、バランスを考えてということかもしれません。
ただ、この場合、女性に男女共用トイレを使われると、男性は女性用が空いていたとしても入れないですよね。まだ、どっちも共用ならいいのに、なぜ女性だけ専用トイレがあるのでしょうか……。どの店も列は一列で待つルールになっているため、僕が男女共用トイレに入るため、ずらりと並ぶ女性の後ろに並んで待ったことは一度や二度ではありません」
ある時、Aさんがカフェのトイレに向かうと、女性用のトイレが空いているにも関わらず、Aさんより先に女性が男女共用トイレに入ってしまったため、Aさんは待つ羽目になった。
「女性はどちらを使ってもいい、というのはわかりますが、もし男女共用トイレと女性用トイレの両方が空いてたら、女性は女性用トイレに入ってもらえると助かります。余裕がある時はいいんですけど、一刻も早くトイレに入りたいこともあるわけで……」(Aさん)