物価高が続く昨今、食費をどう節約するか頭を悩ませている人は少なくないだろう。円安進行で肉の価格は高騰しているが、近くに漁場がある地域では、手軽に魚介類を食べることができる。現在、そうした状況を最大限享受しているのが、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者・中川淳一郎氏だ。中川氏が「安い魚のありがたさ」についてレポートする。
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私は、人間が生きていくにあたり、そして食を楽しむには、肉と魚が重要だと考えます。しかし、両方ともけっこう高い! 2010年代は鶏モモ肉100グラム39円とかよくあったのですが、もはやそんなものを見かけることは滅多にない。
私が住む唐津でも肉はそこそこ高いです。カナダの輸入豚とかは100グラム98円ぐらいで買えたりもするのですが、牛肉となると100グラム398円ぐらいは当たり前。一食あたり1人80グラムは食べたいため、2人家族の我が家はまだしも、お子さんがいる家庭ではけっこうキツいでしょう。
育ち盛りのお子さんは200グラムぐらいは平気で食べてしまう。そんな時、海の近くの自治体って、魚が安くていいんですよね。写真を見れば分かりますが、中型のタイが4尾250円。1かごに10尾入った小型のタイが380円です。小型のタイであっても1人2尾食べれば十分な量のため、5人家族のタンパク質を賄うことができるのです。
海や川に近い場所って、都会では規格外の魚介類を激安価格で買うことができるんです。「ツガニ」と呼ばれる上海ガニの仲間みたいなのが12匹入って980円とかでも買える。魚さえ買ってしまえば、レシピは自由自在。
佐賀ではタイがたくさん釣れますが、いわゆる「根魚」もスーパーには並びます。イサキ、メバル、アラカブ(カサゴ)などに加え、アジやサバもよく獲れる。そのため安く買えるのですが、これらは塩焼き・刺身・アクアパッツア・フライなんかにすることができます。