世界気象機関(WMO)は6月5日、2024年から2028年にかけての気象予想をアップデートした。それによると、今後5年間の地球全体における年平均地表付近温度は、1850年から1900年の平均と比べ、1.1℃から1.9℃高い水準の範囲に収まる。これまでの最高は2023年の記録だが、今後5年の間にそれを更新する確率が86%あるという。
現状についてだが、中国メディア(6月5日・中国証券報、中央テレビ局など)によれば、インド、パキスタン、スペイン、メキシコなど、多くの国で極端な高温となっている。インドでは5月29日、デリー地区の日中最高気温が52.9℃に達したと発表された。その後、センサーが故障していたとして、49.9℃に訂正されてはいるが、それでもこの地区の過去最高気温は更新したようだ。6月3日時点の情報だが、24時間の間にインド・オリッサ州では少なくとも45人が暑さにより死亡したとみられ、インド全域では211人に達するそうだ(6月2日・新華社、6月5日・澎湃新聞など)。
米国国家環境情報センターによれば2024年1月~4月における地球全体の平均気温は175年来の高温となったそうだ。
日本についてはどうなのか。気象協会は6月4日、春(3~5月)の“天候まとめ”を発表している。それによると、平均気温は全国的に高く、4月は北日本・東日本、沖縄・奄美地方において、過去最高を記録した。また、気象庁は5月21日、夏(6~8月)の長期予報を発表しているが、エルニーニョ現象が終息に向かっているため、日本の南にある太平洋高気圧の張り出しが強まることで、平均気温は全国的に高いようだ(NHK・首都圏ナビなど)。