理不尽な要求やクレームを受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題化する中、子供が食べ物を落としたり、モノを壊したりした時の“親の態度”に、悩まされる店も少なくないようだ。なかには「子供がしたことだから」という“免罪符”で、横柄とも思える態度をとる親もいるという。現場の店員たちに、そうした客に対応する苦労を聞いた。
落として割っても「仕方ないですよね?」と威圧的な態度
雑貨店で働く40代女性・Aさんは、「子供がしたことは諦める」と、基本的には弁償を求めない姿勢を貫いている。
「お子様が商品を振り回して遊んで汚したり、走り回った拍子にグラスを落として割れてしまったことなど、子供関連のトラブルは少なくありません。もちろん、店側としては売り物なので損失につながりますが、よっぽどわざとやったということではない限り、当店では弁償を求めることはありません。むしろ、お子様にケガがないか心配します」
ただし、そうしたAさんの「客思い」の姿勢を無下にするように、“子供がしたことだから、当然無罪”という態度の親もいるという。
「子供が壊したのを見て見ぬふりをしたり、『子供がしたことなので仕方ないですよね?』と、威圧的な態度の人もいます。せめて、『すみません』とか、もうちょっと申し訳なさそうな態度を求めてしまうのは、私の心が狭いからなのでしょうか。自分の子供がやったことに対して親の責任と捉えず、謝らない人は意外に多いです」(Aさん)