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【高島屋、フィードフォース、岡山製紙】実体経済に好転の兆しが見える中で業績大幅成長を発表した3銘柄の注目ポイント

インバウンド効果もあり、最高益を見込んでいる高島屋(写真:イメージマート)

インバウンド効果もあり、最高益を見込んでいる高島屋(写真:イメージマート)

 1ドル160円突破でさらなる物価高騰も懸念されるなか、実体経済はポジティブな数値が出ている。賃上げ率は大企業で5%を超え、インフレ率を超える数字となっている。それを支えているのは好調な企業業績だが、好決算を発表した企業の中で注目すべき銘柄はどのようなものか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。

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 日本が利上げに舵切りするために必要となるのが、岸田政権が言い続けてきた「賃上げ」の実現だろう。

 2024年4月まで25カ月連続でマイナス圏に沈み、6月8日付け産経新聞では、「令和6年春闘では大企業で平均5.58%の賃上げ率を実現したが、中小企業の賃上げは鈍く、物価高に追い付いていない」と書かれるなど、「国民が物価高に苦しんでいる」という風潮があった。

 しかし、日本は着々と実質賃金プラスの環境に歩みを進めている。6月27日に発表された、内閣府の「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」では、現状の判断を「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」としている。実は、パートタイム労働者の時給は昨年秋から、実質賃金でプラスとなっており、一般労働者(フルタイム労働者)も時給ベースでは遂にプラスに転じている。

 賃上げ率で見ても、大企業は5.58%、中小企業は3.62%と、中小企業が大企業に対して遅れを取っている現状はあるものの、6月27日に発表された東京のインフレ率2.3%と比べてみれば、十分にインフレ率を上回る賃上げ率となっている。実質賃金がプラスに転じるのも十分に期待できる状況だ。

 賃上げの原資となるのは企業収益だ。為替が円安ドル高に大きく動いている影響があるとはいえ、企業収益は経常利益、営業利益ともに過去最高を更新している。また名目設備投資も過去最高水準に上昇しており、この設備投資は将来の利益に、そして賃上げ原資になることが期待できる。日本の実体経済は決して悪い状況ではない。

 このような状況においては、大きな変化や成長を見せる企業が見つけやすい。6月の決算発表で特に目を引いた3社を紹介していきたい。

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