7月になり、円安が一息つきそうな感じだ。とはいえ、大局的にみれば、まだまだ円安水準には変わりはない。となると、海外旅行へ行くのはどうしてもお金がかかる……と躊躇してしまう人も少なくないのではないだろうか。
円安はたしかに海外旅行者にとって不利に働く。とはいえ、ホノルルあたりの狂乱物価をとりあげて、すべての海外旅行=高いと判断するのは不正確だ(ドル建てで換算しても高騰ぶりは明らかだ)。
そこで、2024年8月に、海外へ行く際、「航空券がそもそも割安」で、そのうえに「現地の物価もそれほど高くない」行き先を3か所に絞り、お伝えしたい。
夏休みに往復2万円台で行けるマニラ
夏場は国内線もおしなべて航空券代が高くなる。これは北半球にある国の宿命といってもよい。そんな中、とにかく安く行ける海外はどこなのだろうか。
ひと昔前であれば、ソウル(韓国)・台北(台湾)の名が挙がっただろう。ところが両国へのフライトはいずれもかつてより上がってしまい、いまでは3万円台以下で見つけることは難しい。一方で、コロナ前よりも安くなったのではないかと思われるのが、フィリピンのマニラ行きだ。
現在、成田からマニラへは、フィリピンのセブパシフィック航空、エアアジア・フィリピン、それにJALやカンタス航空が出資するジェットスタージャパンと100%JALが出資するZIPAIRという4つのLCCが4つ巴となって価格競争を展開している。
このため、8月でも最終週の週末であれば、往復総額2万円台半ばで買える。マニラというと治安を心配する向きもあるかもしれないが、現在はかつてと比べると改善されている。また、空港での賄賂要求や、タクシーでの料金ふっかけといった行為もあまり聞かれなくなっているし、配車アプリの普及により、移動そのもののストレスもほぼ感じずにすむようになった。
物価もかつてより高くなったとはいえ、相対的にみれば、日本よりは割安だ。たとえば、マニラを代表する高級ホテルのザ・ペニンシュラ・マニラのデラックスキングルーム(41平米)が、1泊1室2名で2万1000円と、日本でも高騰したビジネスホテルと大差ない金額で泊まることができる。最高級クラスでこの金額なのだから、節約しようと思えばもっと安く済ませることができる。
食費についても、高級レストランでも1万円を越えるようなことは稀で、庶民的なレストランなら1食数百円で食べることもできる。滞在が少し長い夏休みの旅行なら、航空券代が多少かかっても、国内旅行よりもトータルの費用を安くすることすら不可能ではないだろう。