小池百合子氏の3選で幕を閉じた東京都知事選。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんは、この都知事選をきっかけに「リーダー」について考える時間が増えたという。オバ記者が“リーダー”について綴る。
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いきなりですが、「リーダー」という言葉で真っ先に思い浮かべるのは誰? その人は好もしい人? それとも、できればかかわりたくない人?
東京都知事選挙から3週間近く。世間的には過去の話になってるのに、一種の“選挙後遺症”だわね。一日に何度も、リーダーとは?とか、集団の先頭に立つべき人とは?と考えちゃうんだよね。
リーダーといっても、職場の先輩・上司・町会長・保護者会の役員・趣味のサークルのまとめ役まで、人の集まるところにリーダーあり。リーダーのキャラひとつで、居心地がよくなったり悪くなったする。てか、ボス風だけ吹かせて人に迷惑をかけるだけのリーダーはいない方がマシだって。
で、今回の都知事選で私が注目したのは、選挙戦前に「ぜひ次もお願いします」と首長52名から要請を受けた、という体で出馬した小池百合子さんよ。
このシーン、私は子供の頃から何度も見ているんだよね。たとえば学級委員を決めるときに、みんなAさんが適任と思っているのに、本人は「イヤだ。今回はやらない」とゴネる。なのに誰かが「じゃあ、Bさんに」と言いそうになると、絶妙なタイミングで「やればいいんでしょ、やれば」と引き受ける。
この茶番って、リーダーを決めるときの定番じゃない? 一見バカバカしいようでも、何かあったときに「だから私はイヤだって言ったじゃない」と逃げを打つためのセレモニー。こうしたシーンを見たことがない人はいないと思う。
そして、これは小市民だけの特許かというと、とんでもない。総理大臣に立候補するにも20人の推薦人が必要で、「このたびは皆さまの後押しがあって立候補しました」という形をとる。