福岡県北九州市発祥の「資さんうどん」(すけさんうどん)が、7月13日に関東進出を発表した。13~15日には東京に3日間限定のポップアップ店もオープンし、そこに資さんファンが長蛇の列を作ったことも話題になった。九州北部では「我々の資さんうどんがついに東京に!」と歓喜する人も少なくなかったという。一体このうどんチェーンはどのような店なのか。佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が解説する。
* * *
私自身、母の実家が北九州市八幡東区のため、資さんうどんのことは知っていましたし、おいしいことも知っていました。九州のうどんって、アゴ出汁を使った汁で柔らかい麺が特徴です。そしてトッピングとしてポピュラーなのは「ごぼ天」(ゴボウの天ぷら)です。牛肉を煮たものも人気です。
しかし、なかなか九州のうどんは関門海峡を越えられなかった。讃岐うどんブームもあり、「うどんはコシが重要!」といった空気感が全国的にあったのですね。そんな空気感の中、九州のうどんは柔らかすぎて歯応えがない!という扱いをされてきました。コシ至上主義の壁の高さもあって、なかなか関東進出はできなかったのですが、ついに進出することに。
これは理解できます。というのも、東京だって九州人が大勢いるわけで、その人々にとっては懐かしい味だし、柔らかいうどんを「これだよこれ!」と思うワケだから。だからこそ関東在住の九州人は喜んで、期間限定店舗に長蛇の列を作ったわけだし、福岡・佐賀・大分あたりの九州人も喜んだはずです。