イヤフォンを着けている人を見ると、音楽を聴いていると思いがちだが、必ずしもそうではないようだ。最近では、パリ五輪でスケートボード男子の堀米雄斗選手が“無音イヤフォン”で大逆転の金メダルを勝ち取ったことが注目されたばかりだが、密かに日々の生活に無音イヤフォンを取り入れている人たちは少なくない。なぜわざわざ無音でイヤフォンを使うのか、彼ら/彼女たちにその理由を聞いた。
耳栓のように音を消したいわけではない
IT企業勤務の30代男性・Aさんは、外出時は基本的にイヤフォンを着けっぱなしだ。
「もはやイヤフォンがないと耳が落ち着きません。電車で移動中、特に地下鉄の音がうるさいので私には必須です。人混みが苦手でしたが、ノイズキャンセリング機能を使うと不快感がなくなります。
周囲の音が小さくなって、ちょうどいいんですよね。イヤフォンがないとうるさすぎるというか……。耳栓のように音を消したいわけではなく、刺激をマイルドにしたいだけ。ただ1日のほとんどの時間イヤフォンを着けていると耳の中がかゆくなることがあるので、定期的に外してはいます」(Aさん)
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