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藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

「副業は年間20万円を超えると確定申告が必要」気を付けるべき“副業の税金”のルールを解説、事業所得なら給与所得との損益通算が可能に

2月17日から3月17日までが確定申告の受付期間

2月17日から3月17日までが確定申告の受付期間

 副業を始める会社員が増えているが、注意が必要なのは税金の扱いだ。副業の税金にはどのような種類があり、それぞれどのような特徴があるか。そして節税方法は。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第126回は、「副業の税金」について。

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 近年、副業を認める企業が増えたこともあり、副業を始める会社員が増えています。収入を増やしたり、新たなスキルを活かしたりする魅力がある一方で、注意が必要なのが“税金”です。

 副業で得た収入が一定以上になると確定申告が必要になり、その扱いは副業の内容によって異なります。2024年に副業した人は、確定申告の時期が近づいていますので、しっかり確認してください。

副業収入と確定申告の基本ルール

 会社員が副業をする場合、その収入が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります(給与所得の場合も同様)。副業収入は大きく分けて以下の4種類に分類され、それぞれ課税方法が異なります。

【1】給与所得

 本業以外の会社で働くアルバイトなどの収入は「給与所得」に該当します。本業の給与と合算して「総合課税」となり、所得が多いほど高い税率が適用されます。

【2】雑所得

 フリーランスや個人の活動で得た収入は、通常「雑所得」に区分されます。額面収入から経費を差し引いた金額が課税対象となり、給与所得と同じく総合課税が適用されます。

【3】事業所得

 副業収入が年間300万円以上など、営利性や継続性が認められる場合は「事業所得」として申告できます。事業所得は、赤字を他の所得と相殺する「損益通算」が可能で、「青色申告」を活用すれば節税メリットも期待できます。

【4】その他の所得

 不動産所得(家賃収入)やFX(外国為替証拠金取引)の利益などはそれぞれ特定のルールが適用されるため、事前に確認が必要です。特にFXは「申告分離課税」として一律20.315%の税率が適用されます。

 ここでのポイントは、副業の収入を雑所得にするか、事業所得にするかです。事業所得は、目安として年間300万円以上とありますが、それ以下の収入であっても税務署に開業届を提出し、帳簿をつけていれば事業所得として認められます。事業所得が赤字の場合、給与所得などと損益通算が可能なため、節税することができます。たとえば、副業での収入が100万円で、かかった経費が120万円の場合、20万円の赤字となります。これを給与所得500万円と損益通算して、480万円の所得にできるというわけです。

 今後も継続的に副業を営むのであれば、収入が少なくても開業届を提出し、事業所得にしたほうがお得になるかもしれません。

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